レポート CD《古典クラリネットによるロマン派作品集》:録音会場 Maria Minor Church , Utrecht, the Netherlands


マリア・ミノーレ教会(外観)・18世紀建造。オランダ、ユトレヒト。

音響が優れていることにより、トン・コープマン氏はじめ、様々な音楽家がこの教会で録音をしています。
この教会には尖塔がありません。ユトレヒトのように北部地域はプロテスタントが多かったことから、マリア・ミノーレ教会のようなカトリック教会は、プロテスタント(新教)の迫害から身を守る必要があり、尖塔の無い教会で信仰を守りました。留学時代に住んでいたデン・ハーグにもこの様な教会が残っていました。


マリア・ミノーレ教会(外観) NEW 窓際のプランターに癒されます。


シングルアクション・ハープとの録音
I.ミューラー作曲の「セレナーデ」の収録。協演はオランダ在住のハーピスト、長澤真澄氏。
F.J.Naderman(1815年製オリジナル)のシングルアクション・ハープが使用されました。
クラリネットはH.Grenser inB(ca.1810/copy) 


2台のフォルテピアノの搬入。右側はJohann Fritz (Wien 1820年製)
クラリネットのチャールズ・ナイディック氏も実際に私が使用したものと同一のJohann Fritz(Wien 1820年製)を使用してウェーバー等 の作品を録音されています(フォルテピアノはロバート・レヴィン)。ナイディック氏のCDで使用されたフォルテピアノの響きに共感を覚えていたのですが、実際に自分もこの楽器に出会うことが出来て不思議な気持ちでした。感謝。レコーディングではウェーバーの「変奏曲」op.33で使用しました。

 
レコーディング会場(教会内部)

A.Walter copy by G.Tuinman
この5オクターブのフォルテピアノはW.A.モーツァルト(1756-1791)も弾いていた
A.ワルター作フォルテピアノのコピー・モデルです。Tuinman氏の優れた製作技術
により見事に蘇りました。レコーディングではヴァンハルのソナタで使用しました。
クラリネットはRaver á Bordeaux , Paris ca.1836 inB (5key.1836年製・オリジナル)を
使用しましたが、こちらの画像は満170歳のクラリネットにてご覧戴けます。


ウェーバー:変奏曲Op.33の録音。フォルテピアノは平井千絵氏。
フォルテピアノはJohan Fritz(Wien1820年製作)
クラリネットはH.Grenser inB(ca.1810/copy)