ミュールフェルトのクラリネット

ドイツのマイニンゲン宮廷ヴィルトォーソ(Kammervirtuose)クラリネット奏者リヒャルト・ミュールフェルト(Richard Mühlfeld 1856-1907)が使用していた由緒ある楽器です。ミュンヘンの楽器製作者G.オッテンシュタイナーが製作したのもで、楽器のシステム(機構はカール・ベールマン(Carl Baermann 1810-1885)が築きました。

ヨハネス・ブラームス(Johannes Brahms 1833-1897)はミュールフェルトのために、クラリネット・ソナタ ヘ短調 Op.120-1、同ソナタ 変ホ長調 Op.120-2 、クラリネット三重奏曲 イ短調 Op.114、クラリネット五重奏曲 ロ短調 Op.115 を献呈しています。

Georg Ottensteiner(1815-1897) ca.1870 München

*この楽器はドイツの工房にて製作されたモデル(copy)です。
現在、ブラームスの一連の作品演奏に向けて取り組んでおりますが、 私自身の所感としましては、古楽器とモダン(現代)楽器の両面を併せ持ったところに魅力を感じます。つまり、古楽器的な音色の柔らさを残していること、さらに後にオスカル・エーラー(Oskar Oehler 1858-1936)が製作する 優れた機能を持つ“エーラー管(ドイツ・システム)”の一歩手前のメカニズムを有しているところです。

 

Georg Ottensteinerで演奏したLive音源です(New)

2007年にミュールフェルト没後100年を記念して演奏会を開催しました。

当日のアンコールで演奏したM.レーガー(1873-1916)のRomanceです。